高良山中に自生する植物は極めて多いが、其の中「観賞に値するもの」年、「久留米山草会吉武誠氏の調査」として、浅野陽吉氏が昭和八年十月発表せしものは次のようである。
(甲)顕花植物の部
菊科、ヨメナ、センボンヤリ、(一名ムラサキタンポポ)、アキノリンソウ、サシガンクビサウ、アザミ各種、キツカフハグマ、其の他
桔梗科、キキヤウ。
敗醤科(かのこそう)ヲミナヘシ。
唇形科、シソバタツナミ。
龍胆科、リンダウ、ハルリンダウ、ツルリンダウ。
石楠科、(しゃくなげ)ヤマツゝジ。
鹿蹄草科、(いちゃくさう)イチヤクサウ、ウメガササウ。
菫々菜科、(すみれ)各種
?牛児科、フウロサウ(一名ゲンノショウコ)
メギ科、梅花イカリソウ。
毛莨(ウマノアシカタ)科 カラマツサウ
馬兜鈴科、(うまのすゝくさ)カンアフヒ。
蘭科、 シュンラン、セキコク、ミヤマウヅラ、サイハヒラン、カヤラン、ヤウラクラン 、フウラン、クモラン、コクラン。
めうが科、ハナメウガ。
百合科、 ヤマユリ、シャジヤウハカマ、ソクシンラン
(乙)陰花植物部
羊歯類、
石松科、タウゲシバ。
裏白科、ウラジロ、コシダ。
水龍骨科、(うらぼし)ノキシノブ、イノモトサウ、ワラビ、ミツデウラボシ、シシガシ ラ、ホラシノブ、ツヤナシイノデ、リヤウメンシダ、ヒトツバ、其の他
苔葱科、(こけしのぶ)ウチハゴケ。
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中村水城
ふりみふらずみ 時しり顔に 名のみぬれせぬ やままたやまを
今日もめぐるか むらしぐれ
昭和九年五月十五日 印刷
昭和九年五月二十五日発行
福岡県久留米市南西薫町二○○三番地
著作兼発行者 倉富了一
福岡県久留米市鍛冶屋町二三番
印刷人 秋山源次郎
福男県久留米市鍛冶屋町二三番地
印刷所 秋松活版所発売所 菊竹金文堂(電話 七七番)