延命地蔵(洗町)

※翁・洗町小誌20

 今から二百五十年ばっかり前、江戸詰ん者達(モンドン)が日吉神社んとこに祀った延命地蔵さんな
、袋丁に移しからでん、とてん願いば聞いてやらっしゃるち言うこつで、参り手ん多かった。どうして かち言うとこん地蔵さんな首の切れちゃったが、日吉神社ん横から袋丁さん移す時、うっかり横にして 運だばって首あちゃーんと落(オテ)んな胴体にひっ付いちゃったげな。そっで洗町の延命さんち言う て、もう他所からでんどんどん参り来よった。洗町の無うなったけ、今は如何(ドゲ)んなっとるぢゃ い知らんがの。

琴平神社(洗町)

※筑後一、八、26

 今から二百六、七十年前、小松原ん岡野三右ェ門が、藩の侍どんに渡す扶持米ば、長崎まで廻漕する 途中、島原ん口ノ津ば出て椛島に行き着かんうち暴風に逢うち帆も梶も、櫓も失のうて、ずんずん流さ るる儘(ママ)、広か海ば漂流して、何日目かにようよう一艘ん舟ば見つけ、金毘羅さんで戴いとった お守札ば出して助けば求めたら、遠うかったばって、そん舟が近よって来て助けちくれた。何でん金毘 羅さんの御礼が船よか太う向うん船に見えち助け求めよっとん良うわかったっげなたい。そん舟は中国 の舟ぢゃつたけ広東まで行たげな。そして二年後に日本に送り帰してくれたげな。そっであん広か海で しかも遠うかとこに居った舟が助けに来てくれたつぁ金毘羅さんのお蔭ぢゃち、船頭どん皆が洗切りに 琴平神社ば建てて感謝したげな。今はもう大牟田さん祀り替えて京町にゃ神社はなかがの。

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