7南淋寺(八坂) |
朝倉町の北東の山の麓に千二百年もの歴史を持つ古いお寺があります。瑠璃光院南淋じといって大使様(弘法大師空海)が始められた真言宗のお寺です。この寺には国の重要文化財の薬師如来像や県の文化財の梵鐘(釣り鐘)や、たくさんの宝物が宝蔵に納められています。建物も古くて300年以上もたっています。
南の林にあったことから、長渕に寺を建てられ、この仏様を本尊にして天台宗医王山瑠璃光院南林寺と名をつけられました。大同元(806)年4月8日のことでした。 これから長渕に541年間ありましたが、筑後川のほとりで毎年のように水害があり、寺が水びたしになり、仏像もいたむので移転を思いたち、今の八坂が風景もよく水害の心配もないので大宰府の長官の協力で貞和2(1346)年に移転しました。そしてこの時、寺の住職のあとつぎの関係から曹洞禅宗に変わりました。 それから302年問禅宗が続きましたが、筑前の大名黒田忠之候の命令によって真言宗に変えられ現在に至っています。 この寺はたびたび戦いのためや、失火で火災にあいました。ところが本尊薬師如来の「火災をなくすためには、林に水を注げ」とのお告げによって、境内に三つの井戸を掘りました。 そこで南林寺の林の字に水を加えて南淋寺と改めました。その後災はなくなったといわれています。今その三つの井戸はつながれて池になっています。 本尊の薬師如来像が作られて、今日で1183年(平成元年現在)たちました。八坂に移って約650年になります。 この仏様は大正元年4月8日、国宝に指定され、昭和25年に国の重要文化財になった町の宝です。 その外、この寺にはたくさんの宝物、逸話、伝説などが残いますし、小さな寺々もたくさんあったのですが、くわしいことは『朝倉町史』に一部がのせてあります。 |
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「筑後川と朝倉町」