久留米市合川町十三部所在。山号は慈雲山、
本尊は釈迦如来。寛延2年(1749)7代藩主
有馬頼憧が、日向国(宮崎県)佐土原の大光
寺住職古月禅師の徳風を慕い、懇請して開山
に迎えたもので、有馬家の祈願寺として寺産
250石が与えられた。古月は宝暦元年(1751)
に示寂したが、その法統は連綿と受け継がれ
2世百朋士範、5世千山慧単など『禅林僧宝
伝』に列記される名僧を輩出している。8世
春窓恵梅の時廃仏の難にあったが、高良山本
地堂をはじめ愛宕社などの諸仏が社院局より
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当寺に下げ渡され、ここに筑後観音霊場第一
番玉垂宮本地堂の名を伝えることになった。
本地仏は十一面観音(玉垂宮)、釈迦如来(
住吉宮)、阿弥陀如釆(八幡宮)の3体で、
いずれも行基の作と称されたもの。特に玉垂
宮本地の十一面観音が勢至菩薩像を改造した
と見られることは興味深い。本地堂(観音堂)
は最近建て替えられたが、扁額や天井絵、板
戸などは当初のまま保存されている。 |