大木町遺跡散歩

遺跡散歩

大木町は幾つか歴史的遺産が多くありますが、その２～３を紹介します。

①城の内跡

横溝城。筑後の雄、蒲池氏（筑後１５城の旗頭ともいわれる）の別館。
横溝は西鉄大牟田線八丁牟田駅の北約１Ｋｍにあり、集落の西外れ黒田氏宅一帯が城跡である。
黒田氏宅の西１００ｍの所に城の内の地名があり、今は水田となっているが、幅８ｍほどの水濠の跡が残っている他に土塁などの遺構は全く残っていない。
この城は、蒲池氏（三潴、山門、八女などの地、一万３千町歩を領す）の別館の跡といわれる。蒲池５代蒲池筑後守治久の弟久弘をこの館に代官として派遣しこの近郷を支配させたといわれている。　　　　　　　　　　　　　海鳥社「福岡県の城」より。
　古老のはなしによれば、内堀、外堀などの堀名が残っていたが平成５年の土地改良事業により整地され地形は変わってしまった。

②蛭池村館跡
西牟田弥次郎家綱が鎌倉幕府の地頭職として三潴庄西牟田村に下向して築く。
その８代目西牟田重家の弟家村が、室町時代に館を作り、牟田筑前守家村と名乗って治めたと伝えられている。
城は、東西３９間、南北３０間に建てられ、二重の堀に囲まれていた。


蛭池村館跡	家村の塚

③土甲呂遺跡
住吉神社の境内に田中吉政公を祀る祠がある。
田中吉政は、１６０２年３２万５千石の柳川城主となった。
入国に当たり、久留米・柳川間の道路を拓き、その町筋を免税地として優遇したので、この地の人達は藩主を偲んで建てたもの。

④三島神社　楼門
大木町大字大藪字大藪にある。
寛延記によれば、鎌倉時代正安３年（1301）大藪地頭高橋丹後藤兵衛藤原基氏が伊豆国より勧請し建立した旧郷社である。ここの楼門は近郊には類をみない稀な二階作りの建造物である。

◆大木町には、この他にも三島神社が幾つか存在する。

⑤円照寺
　大木町大字大藪字大藪にある。
　天正１４年（1573）の創建、開基は宇都宮道兼の末裔蒲池城主壱岐守義久の弟犬塚刑部大輔家久僧名浄清上人である。当寺には、「一草庵」という村の美術館があって、池上丁一画伯、下川都一郎、井上三綱、坂本繁二郎、中川一政、小林古径などの貴重な絵画等が常時展示されている。

⑥三島神社
　大木町大字大藪字小入にある。
　寛文記によれば、嘉元２年（1304）富安蔵人が伊豆国より勧請したとある。　境内脇に画家池上丁一が建てた「ふるさと美術館」があり、坂本繁二郎、東郷青児、寺田竹雄、藤田嗣ぐ治、ピカソ、マリーローランサン、小磯良平、岸田劉生などの絵画が展示されている。