弥生時代

およそB.C.3世紀ごろからA.D.3世紀までの時代で、日本で稲作栽培、鉄器・青銅器の使用が始まってから古墳が出現する前までの時期をいう。この時代の弥生土器は、縄文土器と比較して焼成温度が高く、表面が明褐色(赤色顔料を塗られたものもある)であり、形状がシンプルである。
  農耕の開始は、原始杜会に大きな変化をもたらした。この時代の前半は農業共同体が形成され、後半になるとそれがさらに地域的集団に発展し、しだいに小国家を形成していった。甘木朝倉地方でも中小河川のそばの微高地に弥生時代の集落が形成され、夜須町東小田塚本遺跡、甘木市小田鳩胸遺跡(小田集落遺跡)、朝倉町石成遺跡等、多くの遺跡がそのような立地条件をもっている。

@石庖丁   穀物の穂を摘み取る半円形の石器で通常二つの穴がある。
A板付式土器 北部九州の弥生土器の一型式で前期に属する。福岡県博多区       板付にある板付遺跡出土土器を標式とするのでこの名がある
B器台    器を乗せる台
C支脚    三個を一組として火中に据え、上部に土器をのせて使用した
D磨製石剣  金属製剣を模倣したもので、弥生時代につくられた。
E磨製石斧  大陸系磨製石器とよばれる太型蛤刃石斧(伐採斧)、加工に用       いた抉入柱状片刃石斧・扁平片刃石斧などがある。
F石錘    漁をとる網のおもりとして使用された石器。扁平な川原石の       両端をうち砕いたり、擦り込んだりして糸がかりをつくる。       縄文時代に多く見られ、特に後期に多い。
G土製投弾  帯状の物に挟み、振り回し投げるもの。狩猟や戦闘の武器と       して用いられた。
H紡錘車   糸に撚りをかける道具。石製のものの他に、土製や骨製のも       のもある。
I砥石    石器・金属器などを研ぎ磨く石。
J有柄式石剣 これだけきれいな形で残っているものは、大変に珍しい。
K甕棺墓   二つの土器をあわせて死者を葬る合口甕棺、一つだけで石(           )の蓋をする石() 蓋甕棺などがある。弥生時代に九州北部       で盛んに行われた。
L銅矛    木の柄を挿入して使用したものを矛と言う。展示品は大形化       しており、もはや実用器ではなく祭器として使用された。

板付式土器の壷〔弥生時代前期〕                      装飾付き壷〔弥生:後期
夜須町東小田沼尻遺跡)                         (夜須町)

      各種石斧 

         石 包 丁

    炭化物(甘木市小田集落遺跡)

     紡 錘 車

 石鏃・石剣など
石剣:(甘木市小田鳩胸遺跡)

甕棺【左より右へ時代の変遷】

弥生時代の壷・甕【縁の作りに時代の変遷がある】

[弥生時代中期初頭]  [弥生時代中期]      [弥生時代中期]
(左:甘木堤宗原遺跡)         (小郡市横隈遺跡)
         (左:夜須町東小田沼尻遺跡)               (右:甘木市小田集落遺跡)

弥生時代の祭祀遺跡

  (三輪町栗田遺跡)       (甘木市栗山遺跡)



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