小石原焼と高取焼

唐  臼


 ギー…ゴ トン  ギー…ゴ トン
陶土を砕く唐臼がゆったりとリズムを刻みます。
緑に包まれ、四季の花が咲き、鳥がさえずる山里に、この唐臼の音はやさしく響き、まるで自然のささやきと一体をなしているようです。
 そして、登り窯からたちのぽる陶煙も春霞みか雲のように小石原の風景にとけ込みます。300年以上の歴史を持つ小石原のやきもの。
 用と美、素朴さと力強さが表情を創る小石原焼と茶人好みのさびが生きる高取焼
二つはその作風から全く連った道をたどってきたかに見えます。

 しかし、どちらも山里の風土によって育てられ、そこに住む人々のたゆまぬ努力によってその技を確立したのです。
 さらに、先人の心を受け継ぎ、新たな作風を模索する陶芸家も増え、やきもの里には今、さわやかな風が吹いています。



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小石原焼