平成7年、財団法人21世紀村づくり塾が全国グリーンツーリズム支援事業のモデル地域を選んだ時、九州からは浮羽町ただ一つでした。その後、町では「グリーンツーリズム研究会」を組織し、次々にユニークなアイディアを打ち出していきます。
「地域の宝もの調査」によって路傍の石を含め109の見所がほりおこされ町は宝ものマップを作成しました。浮羽の景観・風景・風土が器、それに乗っかっているの大人気の「道の駅うきは」がある山春地区、「岩の谷里づくり」の妹川地区「ほたるの谷の里作り」の小塩地区の3つの谷と、一の瀬焼きの御幸地区と大石地区の6つの「お団子」というわけです。 それぞれにいいものあるじゃないか、つないでいこうということで名づけて「串団子」。うきは型のグリーンツーリズムは、都市に住む人々から、「理解と応援」して売れて、住む人々が「自信と誇り」を持てる、おいしい理論でできています。
いつも人が集う国武庵。年会費2万円で「イモ会員」になると、浮羽のお米や野菜・ぶどう・柿・さつまいも・たけのこ・手作りのかずらの籠などが送られてくる。春は山菜摘みや野いちご摘み、夏はホタル見学や田植え、昆虫採集に星の観察、秋は柿狩り、栗拾い、冬は山芋堀りに餅つき、木の実のトトロづくりと、國武庵の体験メニューはつきることがない。
妹川地区に住む國武浩.トキエさん夫妻は、もう何年も前から知り含いを中心にたけのこ掘りや山菜つみなどを楽しんでもらう「農業体験」を行っていたグリーンツーリズムの先駆者です。平成8年に自宅の庭で開催した「滝の谷のコンサート」に300人もの人が集まり、翌年はジャズ、次はチェンバロとコンサートは名物に。やがて浮羽町にもグリーン・ツーリズムという言葉がはいってくると「うちのやりよることはこのことなんやな」。「せっかく遊びに来るなら泊まってもらって」ということで築85年の自宅を開放し、これまた農家民泊」の先駆けに。「普段の生活の中でまわりにあるもので楽しんでもらいます。年配の人にはふるさとを味わってもらい、子どもたちには自然の中で遊ぶことでその大切さを知ってもらえたら」という体験メニューは数え切れません。あくまで農業が生活のペースで、都会とノ交流は生活の楽しみ。「そこの住民が楽しく暮らすことが一番。そこには元気を分けてもらいに人が来るのです」まさに、うきは型グリーンツーリズムの原点です。
妹川樫ヶ平の新緑の茶畑。一番茶の新芽が伸びる頃に茶畑に覆いをする。 日光をさえぎると、緑が濃くうま味の強い葉が育ち、極上の玉露となる。