草野の西北にある善導寺町も、かつて門前町として栄え
ました。JR「善導寺駅の北側にある深い森に囲まれた大伽藍
が、鎌倉時代以来浄土宗大本山の格式を持つ「善導寺」で
す。開山は承元二年(1208年)といわれ、浄土宗の開祖法
然の高弟聖光上人が、草野入道要阿、作阿夫妻の緩助を受け
て建立したものですが、草野氏の滅亡とともに荒廃して
いました。その後、有馬氏の手によって再興され、江戸時
代前期の大門と、江戸時代中期に再建された本堂、庫裏書院な
どは国の重要文化財の指定を受け、浄土宗大本山として偉
容をみせています。かつての子院の一部の五ヶ寺が残り、
山内の三祖堂は安産祈願所として有名でお参りの人がたえ
ません。
聖光上人の「木造大紹正宗国師座像」、中国唐代の浄土宗の
開祖・善導上人の「木造善導太師坐像」、平安から
鎌倉時代初頭の作と伝わる普賢菩薩を美しい金線で描きあげあ
げた「紺紙金泥観普賢経」などが、国指定の重要文化財と
なっています。
仏教文化を今に伝えるとともに、荘厳なたたずまいの
中、聖光上人が植樹したといわれる大楠が悠々とその梢を
揺らし、毎年3月27日〜3月29日は善導寺の開山忌が行わ
れます。
箏は中国では君子の楽器といわれ、常に座右に置き音色に心の
乱れをただしたほど人間性が現れるといわれています。善導寺の開祖聖光上人
は箏の名人であったと伝えられ、その開山忌では、諸国より僧侶が集まり大念佛を唱え、
箏や琵琶による「善導寺楽」を奏でる音楽法要がなされていました。
善導寺の僧、諸田賢順(1534〜1623)は善導寺の中から箏を独立した楽器として位置づけて曲を整理し、更に中国古代の様式や漢詩などを加え独自の演奏様式と歌謡からなる「筑紫箏」を編み出しました。
7歳で善導寺に入ったときに「風骨卓異・布生頴悟の奇人」(心根が折り目正しく信念を持ち才知にあふれた者の)といわれた賢順は、仏法に基づく修行として筑後箏を奏で続け、それが後世に八橋検校に受け継がれ、現代箏曲へと発展しました。善導寺境内には箏曲発祥のモニュメントがあり、久留米市では箏曲の始祖賢順の偉業を讃え毎年「賢順記念・全国箏曲祭」が行われています。
●耳納北麓レンタサイクル
町並みがまるごと博物館
300円の小旅行
耳納北麓の名所・旧跡を巡るには、なんといっても自転
車です。山辺道文化館、ふれあい農業公園、スパリゾート
ホテル久留米、JR筑後草野駅前、JR善導寺駅前の6つの
レンタサイクルステーションがあり、どこでも乗り捨て自由です
一回300円で地図を片手にゆったりのんびりペ
ダルをこいでまわることができます。
●久留米ふれあい農業公園
年1万円で農園オーナー
自然の中で気軽に農業体験できる「久留米ふれあい農業
公園」年1万円(20u)で惜りることができる市民ふれあ
い農園は、農機具の貸し出しがある他、栽培指導員が畑づ
くりをわかりやすく教えてくれます。ふれあい広場、研修
室もあり、JAくるめ女性部により、毎週日曜日午前中に
農産物直亮場「やまみず木」が開かれています。
収穫のひととき。
問い合わせTEL0942-47-6065 FAX0942-47-6068
●世界つつじセンター
世界のつつじ
1600品種が花咲く殿堂
明治36年(1903)に大阪で開かれた博覧会に赤司廣楽園が出
品した見事な錦光花見て、観客が口々に「久留米のつつじ」
と呼んたことがひとつのきっかけとなって「久留米つつじ」の
名で親しまれるところとなりました。天保の時代から今に至る
まで、実に700品種が生み出され、300種あまりが絨培され
ています。19世紀の終わりには久留米つつじのカタログが
横浜の貿易会社でつくられ、1915年のサンフランシスコで行わ
れた太平洋博覧会への赤司広楽園出展やE.H.ウィルソンらの
手によって、久留米つつじは全米へとひろまっていきました、
欧米ではクルメアザレアの名で愛されています。
世界つつじセンターでは、その名のごとく世界各国から収集した
貴重なつつじ類を見ることができます。約1600品種、21,OOO本を
植栽した母樹園や、貴重な母木室を見ることができ、雅やかな・
名前の数々には、苦労の末にようやく生まれた新しい品種への
思いがこめられています。
問い合わせ 世界つつじセンター TEL0942-47-4580
4月上旬から下旬にかけて、世界のつつじが一面に咲き誇る。
●おおはし歴史公園
豊後街道の石橋が蘇った
歴史の公園
江戸時代は、元禄11年(1698)、久留米藩から日田に向
かう豊後街道の巨瀬川に架けられた「石浦大橋」は大橋町
の町名の由来にもなった石橋。
橋のかかる道は「豊後中道」と呼ばれていました。木橋
であったものを石橋にかえたものです。明治2年(1765)に
最初に修理されて以来、明治、大正、昭和の各時代に改修
されながら使用され、昭和50年の解体まで実に278年の
歴史を持った県内で三番目に古い石橋でした。現在は大橋
町の)シンボルとして復元され、平成10年におおはし歴史
公園として生まれ変わりました。
久留米藩の技術の水を集めて建設したために長い歴史を
刻むことができたと言われる。
●観光柿園
草野の柿は糖度福岡県一
草野町は大正の始めより栽培を始めた柿の産地で、糖度
福岡兼一を誇る柿の富有柿の里でもあります。1O月から11月
まで柿狩りを楽しむことができます。
問い合わせ 中野柿園 TEL0942-47-3268
●緑花流通センター
5万坪の緑のデパート
庭があってもなくても楽しい
ぶらぶら歩き
同道20号線沿いの5万坪という広さを誇る緑花流通
センターは植木や花卉の一大流通拠点です。植木、花卉を
はじめ、盆栽、園芸資材などの展展示即売場をそなえ、春と
秋の植木祭りは、たくさんの愛好者を集めています。セン
ター内には「自然休養村管理センター」があり,緑の教室
やフラワーアレンジメントなどが行われています。
モデル庭園を配した即売場はさながら「緑のデパート」.
庭づくりはももろんのこと、庭がなくても楽しめる鉢植え
に関する材料やアイディアがところせましと並びます。な
かには筑後地方の山野草など珍しいものもあり、大豆粒ほ
どの可憐な花を咲かせるシクラメンの原種など、ユニーク
なものもの。植え方・育て方も豊富な知識で丁寧に対応して
くれる、青空の下のデパートです。
問い合わせ 緑花流遍センター TEL0942.47.2581
自然休養村管理センターTEL0942-47.3919
●スパリゾートホテル久留米
耳納の自然が一
望の露天風呂
久留米には温泉に関する不思議な由来が多く残っていま
すキツネがだましたお詫びに教えてくれた温泉「湯の坂」
や、身体をこわした久留米有馬藩の指折りの武士が大善寺
玉垂宮のお告げで探し当てた「温石湯」など、足腰の痛み
に効くといわれ多くの湯治客で賑わっています。画家青木
繁らも、温石湯をこよなく愛したとか。
スパリゾートホテル久留米は耳納北麓にある温泉リゾー
ト地で、大浴場や露天風呂、テニスコートレストランがあります。
泉質は弱アルカリ性単純泉、日帰り保養も人気です。
打たせ湯と東屋が架かる露天風呂からは、目の前に雄大な
耳納の自然を眺めることができます。
問い合わせ スパリゾートホテル久留米TEL0942-45-8686
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