SNK >> デジタルアーカイブ >> 初手物語
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宮参り | ||
子供が生れて日の霽るゝと、子供はおっ母さんが抱いて、姑さんてん何てんが、お重箱に、 小豆ごはんのとがりお握りば入れて、村中のお神参りよった。藪んなかに"字かき柴"ち去う て、火にあぶると、字か何かのごたるこげ目の出けよった柴のあったたい。あげなすべすべ した大っか木の葉に、そのおにぎりご飯ば載せてお神供ゆるたい。山王さん、高皇宮さん、 天神さん、坂本さん、八幡さん、ち云うごつどのお宮にでん、ひとつひとつ拝うで参ると、 そんときも子供どんがぞろぞろついて来るたい。 お神供えて拝うだあとは、そのお供えの小豆ごはんぱ子供たちが、さっさと引いて頂きよ ったたい。 うちは村内のお宮のお宮参りしたすぐ後で、アヤも、ヨシも、おばやいが抱いて高良山に 山かごに乗って、参ったたい。 本坂の下までは、かごで行くばってん、あの本坂の石段ば子供抱いて上ろうでちゃ大ごつ じゃっつろたい。 |