SNK >> デジタルアーカイブ >> 初手物語
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砧うち | ||
砧は、あたしが高等小学校の頃までぐらい打ちよった。 晩ごはんのあとで、洗濯物の糊つけたつの、乾いとっとば、たたみつけて、内土間に大っ か木の切株の、三尺位の高さに切ったつの置いてあったつば打ちムロにして、その上に洗濯 物ばのせて、二人で向い合うて、大きめの丸太ん棒の一尺足らずに切って、手のついとっと で、トントンカラカラ、ちさっさと叩きよった。あたしも時々まぜくりんごつして、叩きよ った。バーンと糊のついとるけん、叩くとピカピカ布地の光って、なかなか汚れじやったた い。夏物どんが殊によかった。パーンとして、ペタペタ肌につかんけんで、なかなか汚れじ ゃったたい。 そりばってん布がピカピカ光るし、叩くとのせからしかもんじゃけん、いっん 間にか叩かんごつなった。打ち台の木の根っこはピカピカ光ってとても美しうなっとったがー。 |