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		おフチ（婦知）
		お祖父っつぁんの、おトシさんば失いなさったあと、上古賀の倉富からおフチ（藤、改め婦 知）ばばさんのお入ったったい。水が出ん丹、火が出ん丹の、丹にょむさん（丹右衛門）の娘 ごたい。始め若か時、筑前長渕村の庄屋古賀熊太ち云う人においって、男のお子さん持ちなさっ たげなばってん、早う失しのうて、旦那んさんまで失しなうて後家さんになって、上古賀さん 帰っておいっとって、又うちにお入ったつげな。 二人ながら二度目じゃったつたい。いつかお祖父っつぁんの、「始めお前ば貰おうち云よったが、 あんまり丸うしてふくれとらすもんじゃけん」ち仰しゃりょった。中高顔の鼻の高すぎるごつ 高かった。年とってからはそげん肥えちゃおんなさらじゃった。気の立ったやかましやのばば さんじゃった。 お祖父っつぁんの方が黙っとりよんなさった。いつかお祖父っつぁんの何か思いなさるごつな らんでばしじゃっつろたい「おトシならそげなこつあしようらじゃった」てろち抑しゃったけ ん、ばばさんのプンプンして、「そげん良かお方ば、なし、おかくれさせどんしないましたの」 ち仰しゃりょった。二度目の奥さんな、前の奥さんのこつ云わるっとが一番すかんげなたい。 そりばってん仲は好かったごたるふうで、温泉行きでん何でん、いつでんよう二人連でおいりょった。

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