SNK >> デジタルアーカイブ >> 初手物語


    出はいりの人達
   
  その頃うちにゃ、村人達の他に種々な人達が出はいりしよった。
  古山さん、新庄さん、ち云う新聞記者達、道具屋さん達、年中来て、わいわい云うて賑やよったたい。
  学校の先生たちも男子校の高野校長先生、女子校の中村校長先生始め、女先生達もよう来よんな さった。佐々のよもしゃんが、国分の女子校の裁縫の先生で、浮羽高女にもお花てん、お茶てん も教えに行ったりして、教材の葉蘭てんな、うちんとば男にごうほん持たせて出したりしよったたい。

軌道に乗って持って行きよった。うちで佐藤さんち魚屋さんがお料理のほんに上手じゃけん、料 理ば教えて貰うたりしよったけん、よもしゃんの照会で、学校の女先生たちがうちに来て習うた りしよんなさった。上手ち云うとこで、国分の学校ばかりしゃなし、外の村の学校にも講習しに 行くごつなってから、佐藤さんもなお腕の上がって、しまえにゃもう魚屋はやめて、お料理の先 生てん、お料理屋さんになってほんに成功さっしゃったたい。

初手、公設市場の苧扱川にあった時食堂しござったとき会うたりゃ、ほんに初手引っぱって頂い たつがきっかけになって、こげんなったち喜こうでじゃった。そしておごちそになったごたった。


前のお話へ  戻る      次へ  次のお話へ