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初手物語
権現山
村の一番西南の権現山の頂にゃ、権現松ちゅうて、権現さんのお堂の側に大っか松の生え とって、終戦の前か後まで位あったたい。山の東北の裾に、もと家中の中村の下屋敷のあっ た。あの山ばお亭山(ちんやま)ち云よったつはそっでじやっつろ。中村の水城さんな国学者 で、御一新後いっとき高良山の神官もしとんなさったげな。
御一新後京の隈からあすこさん 引移んなさったったい。中村弘先生のお父っつあんたい。初手は何せ村はずれの山ん中の一 軒屋で、電燈の灯ったつも昭和の初め頃じゃったたい。
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