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中村先生の謝恩碑 | ||
昭和二十八年頃かじゃったが、国分小学校で中村先生から習うた者、御井高等で習うた 者たちが先生の謝恩の碑ば建てたたい。そん時ゃだいぶんの人数が、権現さんの中村先生ん 方の前に集ったが、何十年ぶりかちうて、お互い顔も忘れとった者もあったたい。 みんな、よかじいさん、よかばばさんになっとるもん。そんとき、神代の米しゃんも見え とった。アヤに手紙ことつけた時んこつも話の出たたい。 そりから帰りかけは宮ノ陣の今村しげのさんと、豊福さんち云うて緒方有定(其頃はやった 産婦人科医)の息子嫁さんになった人と二人、つんのうてきて、話んはづうで、そりから、「泊 んなさい、泊まろ」で、泊って貰うて翌日は正源寺のとこの競輪ば見げ行こじゃんので、婆 ばっかり三人で見に行ったが、あたしゃ不断着に着かえとったばってん、今村さんな黒の長 紋付、緒方さんな紋付の羽織ちいう御紋付すがたで競輸見物ち云うて笑うたこつじやった。 競輪ちゃどげなこつか、冥土の土産に見とこじゃんのち行ったたい。今村さんな、あたしよ り二つ三つ多かったけん、もう亡うなってござろうがのー。 |