SNK >> デジタルアーカイブ >> 初手物語
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火だね | ||
うちは初手から、マッチは使はじゃった。大正頃になったりゃ、そりもようだばってん、 その前は大善寺の鬼夜の火ば、火口殻(ほぐちがら)で取って来て火種にしよった。 鬼夜のたいまつの火ば、火口殻に移して、入れ物に入れて消し炭にしときよった。そして 火打石でカチカチ云わせて、その消し炭に火ばつけて、そりば付木(つけぎ)に移し神仏てん あんどんの火てん、くどの火にしよったたい。あんどんの火は夜通しつけてあるけん、そり から付木でくどの火にしたりしよった。 とにかく大善寺の火から作った"火口殻"に火打石で つけた天然の火が種火じやった。一体にどこでん初手はそげんしよったごたる。毎年そげん して"火口殻"の消し灰ば作りょったたい。 |