SNK >> デジタルアーカイブ >> 初手物語
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品評会出品 | ||
何時かは大葱ば作ったりゃ、ほーんにごーほん大っか、立派な白根の長がかつん出けたけ ん、郡の品評会に、お父っつぁんの出しなさったりゃ賞に入らじゃった。こっちは何等かに 入る積りじゃったもん、あんまり大きぅして美しかもんじゃけん。そっで福田先生にお尋ね したりゃ、「ありゃ大きぅはあるばってん、分蘗しちゃおらんけんいかんとたい、一本から幾 つも株が分かれて太うなっとかんと一本だけで太かったっちゃいかん」ち云うこつじゃった。 干柿もあんまり美しうおいしう出けたけん、品評会に出したところが、味みしたりゃ、と ても美味しかったげなけん、役員さんどんが思わずさっさと食べて仕舞うて、無うなったげ なもん。お父っつぁんと親しかもんじゃけん、食べたつじやっつろが、うちんとじゃけん良 かばってん、よそんとどんそげなこつしたなら、やかましかばいちお父っつぁんな云うて来 たち笑よんなさった。 |