SNK >> デジタルアーカイブ >> 初手物語


   
   
  初手はくさい、どこにでん雀ん巣だんようかけよったが、群雀(むらすずめ)ち云うて、ほ ーんに群れた雀どんがおりよったたい。田畑ばあんまり荒らすけん、案山子(かがし)てん鳴 子どこぢゃ、ねーごつん無かけん、花火あげたりして、追い払うたこつもありょった話じゃ ん。うちの藪にもほーんに居りょったが、何せ藪の多うして、国分から野中辺にゃ、夕方だ んその藪の中に雀どんか帰って来て、ヂュウ、ヂュウさゆるこつが、ほーんにやかましかっ たばい。そげんやかましかこつば、雀んさかたうつごつ、ち云よったたい。雀でん、こげん 少のぅなうちゃ思いもせじゃったたい。


前のお話へ  戻る      次へ  次のお話へ