SNK >> デジタルアーカイブ >> 初手物語
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のみ退治 | ||
いつかお部屋ん二階に何か取りに上がったりゃ、蚤がバラバラ飛びついて来たけんビック リして降りて来て、あすこにゃこげん蚤のおるち云うたけん、おっ母さんとオモトが糊作っ て尻からげて脛に糊つけて上って行きなさった。そして足にどんどん飛びついた蚤ばすり落 して征伐してあとにのみ取粉まいたりして退治したたい。猫かねずみのせいじやっつろち云 うたこつじやった。どうして、あげんかたまって出来とったもんじゃりのー。 昔やどげな良かとこにでん、蚤、虱のおったげな。そのおり方に多かったり少なかったり はあった模様ばってん。殿様に蚤のおると、蚤ん居るち云うちゃ出けじやつたげな、虱ち云 わにゃんじゃったげな。蚤は下賤の者にもおってそりがピンピン跳うで来て殿様についたり するけん、下賤の者に住んどったつが殿様に住むち云うと殿様の沽券にかかわるげなもん、 虱は昔は身からわくもんち云よったげなけん、もともと殿様の身からわいたもんち云うこつ で差支えがなかったげなたい。ほんなこつじゃり、すらごつじゃり知らんばってん昔しゃそ げん云よったげな。 |