初手物語[ご藩難]

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		ご藩難
		久留米はご一新のとき、ご藩難ち云うて、殿様は謹慎させられなさるし、藩の主だった人たちゃ捕えられて遠方の牢に入れられなさったり打首になったりしなさるし、新政府にゃ何や彼や、不満もっとる人達の多かりょったげなたい。ご藩難ちゃ、大楽源太郎ち云う長州の新政府反対の人ば、かくもうたち云うてお咎め受けたつげな。大事件じゃったふうで、おっ母さんのまあだ小まかったときげな六っか七っかで、ばってん幼な心にでん、わけもわからんでん、何じゃりえーすかった気持ば、まあだ憶えとるち話しよんなさった。何せ大騒動じやったらしかたい。