SNK >> デジタルアーカイブ >> 初手物語
|
||
写 真 | ||
大体写真てんなんてん、あたしゃ、博多で写ったつが始めてで、櫛原に佐藤さんち居んなさっ て、写真屋しよんなさったばってん、お父っつぁんの自転車仲間じゃったが……。 博多の三苫に写真写り行った。あたしが七つじゃっつろ。つうーっとお父っつぁんの二階さ ん上がんなさるもん、どうして黙って上っておいるじゃろかち思よった。おっ母さんと二人後 から上っていって、向うん方に腰掛けさせられた。 向うん方から来て、後髪ば撫でつけたり、着物ばこーう、こうせらっしゃるもん。どう云うこ つじゃろかち思とったりゃ、写真写しじゃったげな。一口そげん知らせとんなさりゃ、よかっ たばってん、妙なこっち思よったたい。 そん時博多に泊るごつなったけん、あたしゃ、三階に泊るとなら泊るち駄々こねた。そんな ら三階に泊まろたいち云うこつで、人力車に乗ったりゃ、三階じゃなかとこさん連れて行かれ た。三階でなからにゃ泊らんち云うたばってん、とうとうそこに泊らされた。 |