SNK >> デジタルアーカイブ >> 初手物語
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貧しいお正月 | ||
お正月には日ば決めて、元の出入の者達揃うて挨拶に十何人か来よったばってん、大正十一、 二年頃にゃ、あげん揃うて行きゃ、向うでも何なりとしなさらにゃんけん、かえってご心配 かきうち、年寄ったばばさんどんが心配してそりもやめた。とうとう行きゃ、迷惑掛きうち 人ん思うごつなってしもたたい。 何時かだん、お正月前に、お父っちゃまはいつも通り、何じゃりブローカー相手の大っか話 んごたるこつで出て行きなさって帰んなさらんもん。お正月の用意もせにゃんとに、何時まっ でん帰んなさらんし、お餅もつけん始末じゃん。そげな話知って、もとん出入うちからおか ちん持って来て貰うたりで、やっと年越せたこつんあったたい。その頃そげなこつばっかり じゃった。 |