矢部村の上代には、文化的にも見るべきものも少なくない。八女東部の山岳地帯は、日本書紀にも出てくる八女津媛の伝説にも見られるように、神聖にして侵すべからざる霊地として古い歴史と文化を持っていたことはまちがいない。原始時代の人々は、太陽を崇拝していた。八女東部の山々は太陽の昇るところである。筑後の低地から見れば、釈迦、御前岳を仰ぐ八女東部の山々は、正に太陽の上る神聖な土地と見られていたと思われる。